日本三大けんか祭りの一つ「伊万里トンテントンまつり」(伊萬里神社御神幸祭)の実行委員会(櫻井徳幸委員長)は23日、今年の祭り(10月25~27日)で、神輿(みこし)2基を組んで倒す「奉納合戦」を行う方針を示した。安全確保のため、事前に合戦の場所や倒し方などを決める新たな形式で、祭りのフィナーレに神輿2基を伊万里川に落として引き上げる「川落とし合戦」も8年ぶりに復活させる。
市の秋祭振興会で、櫻井委員長(55)が明らかにした。神輿を組んで倒す「合戦」は2006年に死亡事故が起きて以来、中止している。実行委は安全対策を検討した結果、(1)回数と場所を決め、シナリオを作る(2)団車を真後ろにのみひっくり返す-の2点を確認して行うことを決めた。櫻井委員長は「従来の合戦と違い、安全な合戦になる」と説明した。
従来の合戦は市内数カ所で行われていたが、奉納合戦は1日1回、場所と時間を決め、初日は伊万里中グラウンド、2日目は東八谷搦お祭り広場、3日目は川落とし場で実施する。担ぎ手は安全講習を受け、練習に参加した氏子に限定する。
6月に2回、実際に神輿を使って安全性を検証した。櫻井委員長は「シナリオに基づき、担ぎ手が避難し終わってから、団車を真後ろにのみひっくり返すので、けがのない形になる」と話す。川落としも、従来は夜間に行われていたが、安全に配慮して夕方に実施する。
祭りをめぐっては06年の死亡事故を受け、それまで祭りを主催してきた奉賛会が解散。氏子でつくる実行委が祭りを引き継ぎ、神輿を組んで倒さない「模擬合戦」に変更するなど、祭りの形を模索している。